セイコー編


 やはり、国産機械式時計の一番の魅力は古いモデルにあるでしょう。一番身近にある時計が実はこの時計かも知れません。押入の箱の中や引き出しの奥を探してみると、もしかすると機械式時計が出てきませんか?

 

1.手巻きモデル

手巻きの代表格はやはりマーベル・クラウンになると思います。
発売順序は下の表のようになるようです。

モデル名 発売年 特徴 マニア度
スーパー 1950 戦後の混乱期から生まれたセイコーらしい時計です。 7
ユニーク 1955 スーパーの改良機です。 6
マーベル 1956 諏訪精工舎が実用機としてセイコーがようやく世に出したモデルです。 3
ローレル 1968 マーベルをマイナーチェンジした普及版です。 3
ロードマーベル 1958 隠れた銘機としてマニアに好まれてます。 8
クロノス 1958 マーベルに負けじと当時の第二精工舎から出た実用モデルです。 3
クラウン 1959 マーベルを改良し、その後様々のモデルのベースとなりました。 2
グランドセイコー1st 1960 クラウンをベースに当時の最高級品として作られました。 10
ゴールドフェザー 1960 クロノス系の薄型時計を目指して作られた時計です 8
チャンピオン 1960 クロノスの普及版です。 3
ライナー 1960 クラウンを薄型化したモデルです。 6
スポーツマン 1960 マーベルの普及版です。 4
キングセイコー1st 1961 クロノスをベースに最高機種を目指して作られました。 9
スカイライナー 1961 ライナーの普及版です。 4
クラウンスペシャル 1961 グランドセイコーとクラウンの中間の機種です。 7
ディズニータイム 1961 子供用の時計として作られました。スクールタイムと言うモデルもあります。 5
グランドセイコー2nd 1963 1stモデルにカレンダーが付きました。SSモデルが多いのも特徴です。 10
57ロードマーベル 1964 2代目ですが、機械のベースはマーベルからクラウンになりました。 5
キングセイコー2nd 1964 キングセイコーに秒針規制が付きました。この後、カレンダー付きなども発売されています。 9
44GS 1966 キングセイコーをクロノメーター化し、とうとう「グランドセイコー」の名前が付いた面白いモデルです。 10
ロードマーベル36000 1967 57ロードマーベルを10振動にしたモデルで、この後長い期間販売されました。 4
45KS 1968 クロノス系の機械を改良した新型機械を搭載したキングセイコーです。 7
45GS 1968 45KSのグランドセイコー版です。 8

この中で実際に実用できるのは、やはり「マーベル」くらいからでしょう。ただし、「初代ロードマーベル」、「グランドセイコー1st」、「キングセイコー1st」などは、当時の最高級の時計だったわけですから、今でも高値で取引されており入手は難しくなってきています。また、この当時のモデルは防水性能の弱い物が多く、汗の侵入による文字板や機械の劣化が進んだ時計をたくさん見ております。冬場のおしゃれとして楽しむ他は、コレクション向きと言った方が良いかもしれません。

2.自動巻モデル

自動巻では56・61系の後年の機械を搭載したモデルをよく見かけますが、初期の62系を搭載した時計も調子がよい物が多く、古い国産時計の初心者にも自信を持っておすすめできます。

モデル名 モデル名 発売年 特徴 マニア度
インジケーター 1955 セイコー初めての自動巻には、巻き量を示すインジケーターが付いていました。販売数は少なそうです。 9
ジャイロマーベル 1959 初代モデルは生産量も少なく、実質セイコーの量産型最初のモデルです。裏蓋が盛り上がってるところが、自動巻らしい特徴です。 7
セイコーマチック 1960 62系統の元祖。セイコー自動巻時計の基本です。 6
スポーツマチック 1961 自動巻の普及版初代モデルです。 3
マチックシルバーウェーブ 1962 62と普及版の66の2種類のモデルがあります。 6
マチックウィークデータ 1963 非常によく売れたのでしょう。とてもたくさんのモデルを見かけます。26〜39石まで様々なバリエーションがあります。 4
マチックスリム 1963 62マチックを薄型化したモデルです。 5
スポーツマチック5 1963 セイコーの自動巻の代名詞「5」の最初のモデルです。 3
スポーツマチック5デラックス 1964 非常によく見かけるモデルです。「5」の真骨頂でしょうか? 2
ワールドタイム 1964 62マチックベースのワールドタイムです。 9
セイコーダイバー1st 1964 セイコー初のダイバーモデルです。150m防水。 8
マチック-R 1965 83系の機械を搭載した高級モデルです。 7
ビジネスA 1965 マチック-Rの「ビジネスマン」モデルでしょうか? 6
62マチッククロノメーター 1966 62マチックをクロノメーター化した最高級モデルです。裏蓋にはライオンがあります。 9
62GS 1967 62マチックと全く同じなのですが、訳あってグランドセイコーになったらしいです。 9
61セイコー5デラックス 1967 61系の基本時計です。非常によく見かけますが、精度の良い時計が多いです。 2
56ロードマチック 1968 名機といっていい、非常に使い勝手の良い時計です。カレンダーの早送りを禁止時間帯(21:00〜02:00)に行って故障した時計が非常に多いです。 2
61GS 1968 自動巻としては2代目のグランドセイコーです。メダリオンはGSマークです。 8
56KS 1968 諏訪から生まれたキングセイコーです。当時大人気だったようで、比較的よく見かけます。 7
61ダイバー 1968 植村直己さんが使用していたことでも知られる実用モデルです。 7
プレスマチック 1969 リューズをプッシュして日付を早送りする51系の高級機種です。 8
5スポーツスピードタイマー 1969 クロノグラフ付き 8
56GS 1970 自動巻3代目のグランドセイコーです。たくさん販売されたようで、いろいろなバリエーションを見かけます。 7
52KSクロノメーター 1971
7Sセイコー5 逆輸入などで現在でも販売されている超実用モデルです。 1

 セイコーの自動巻時計は実用性も非常に高く、マチック以降のモデルなら普段使いしても問題ないものがほとんどです。特に56系の機械は調子が良く、精度も調整しやすいようなのですが、カレンダー回りの故障には注意が必要です。

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